電力供給が十分でないとネットゼロは遠い。

オーストラリアのNSW州政府が、石炭火力発電所の操業機関延長に対して補助金を出すということになった。
発電所はオリジン・エナジーが保有しているエラリング石炭火力発電所というもので、当初は2025年8月に操業停止の計画だったが、今回2年間の延長が決まった。背景は、電力供給が不安定になる可能性があり、次の夏場に停電リスクが懸念されているからということらしい。

環境意識に対してがとても高いオーストラリアなので、温暖化ガス問題で槍玉に挙げられている石炭火力発電を延長するのは、背に腹は変えられぬ、ということなのだろう。
再生可能エネルギーの供給力を上げると言っているが、国土が広すぎて発電した場所から消費地までの電力送電網の整備や、そもそもの発電量の問題もあり、簡単には物事が進まない感じになっている。

土地は広大で、再生可能エネルギーもあるが、天然ガスも自前で調達できる中でいまだに石炭火力発電を活用している理由が不思議なところ。
将来的にネットゼロに移行して行く姿勢に関してはなんら疑問はないが、いきなりジャンプして新しいステージに進むような雰囲気に見えていて、徐々に温暖化ガスの排出を減らすような動きにしていく考えは出てこないのだろうか。

例えば、ガスタービン発電所に一度切り替えて、その間に再生可能エネルギーを拡充する、という方法や、原子力発電をベースにしてみる、という方法も選択肢としてはあるだろう。実際にどれを選択するのかは、コスト(当初コスト、維持管理など)を考えていくことで積極的に選択肢から落としていく、ということも存在して良い気がするが、そのような話題はニュースには出てこない。

エネルギーは今日話題になって、明日から変化しますというような話ではないので、議論も複雑で長くなるのだろうが、いずれにせよ石炭火力発電を延長するということに対して、一定の反対意見が出てくるのだろう。
停電になっても仕方ない、という選択肢を選ぶのであれば、操業停止も選択としてあるだろうが、不便さは受け入れたくない、ということであれば都合が良すぎるので、その辺りの議論がどう進むのかは気にしていきたい。

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