政策金利は変更なし、でもインフレは懸念継続なので利上げもあるかも。後段は家計厳しい?という話

18日の午後にオーストラリア連邦準備銀行(RBA)が政策発表を行った。結果は市場予想通りで政策変更はなし、というもの。
特に結果自体に関しては驚きもなくて、そうだろうなぁというもの。

とはいえ、個人的に「変だなぁ」と思っていたインフレに関しては少しだけ、自分の中の考えを正当化したいようなコメントが出てきたところ。

具体的には、連邦政府のばら撒き予算がインフレに対して押さえ込む圧力を減退させる、という雰囲気をRBAが感じていそうなところ。
かなり個人的なバイアスがかかっているが、選挙が来年5月までのどこかのタイミングに控えているので、政府としては人気取りのためにばら撒き予算を発表していると見えている。
ばら撒きということは、自然にインフレに対して上昇圧力をかけることになるだろうと思っている点。

これに対して、連邦政府はばら撒きでもインフレは鈍化する方向になる、と言っていて「???」と個人的にはなっていた。
これに対して、連邦政府予算が発表されて以降の初めてのRBA政策は変更なしだが、連邦政府の予算はインフレ鈍化の圧力を下げる、という評価をしている様子。
その結果として、RBAは引き続きインフレを注視していてインフレ率が上がるならば利上げをすることを匂わせている。

一応、RBAは2026年半ばにインフレがターゲットにしている2−3%のレンジに入ってくると考えている様子。
なかなか長い目線で考えている見たいなので、年内で利上げがあっても不思議ではないのだろう。

実際に、労働市場は逼迫しているし、物価は上がっているし、個人がどの程度感じているかはわからないが、データだけで見ると景気は悪くないように見えている。

もう一つ別の話としてニュースに出ていたものは、30歳未満のデフォルトリスクが上昇しているという話。
レポートとしては面白い視点だし、確かにそうなのかなぁという面を感じるもの。

金利が上昇したことでローンの返済額が上昇したり、家賃が上昇したりしていること、インフレで全体的な生活コストが上昇していることなどを背景に、個人のデフォルトリスクが上昇していること、実際にデフォルトが発生していることなどを取り上げている。

その中で、年齢によって動きが異なる、ということが今回の面白い点で、40歳以上はあまりリスクとしては上昇していないが、30歳未満はリスクが上昇しているということ。
その背景は家賃が上昇しているが賃金上昇がおいつていないこと、個人向けの融資の返済負担が上昇していることらしい。

確かに若年層の方が所得は低いので、物価上昇時のインパクトを抑える術が少ないのでデフォルトリスクが上がりやすくなる点は理解できる。
合わせて、若い方が物欲があったりしてローンを組む状況が多いのだろう。

そのようなことが発生しているならば、若年層向けの融資は厳しくなり、また貸しているものも返済が厳しくなると考えると、証券化商品のローンの属性分析がどのようになっているかは、商品のスプレッドに反映されてくるのだろう。
そもそも、そこまで開示されているのかがわからないけど、格付機関はどう考えていくのだろうか。
個人的には、いきなり格付けが変化することはないだろうが、そういう状況が発生しそうだと考えるとモニタリングを強化することになるのだろう。

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