住宅供給問題の解決は、いつめどに解決するのかよくわからん。

金融ニュース

オーストラリアの住宅価格上昇、家賃上昇の問題は、個人の生活面の大きな問題の一つとして存在している。
そのため、政治家は解消のために、住宅建設を推進すること(供給増加)と移民流入の抑制(需要減少)の両面で動いている。

後者の移民流入に関しての統計が発表されており、2023年10−12月の流入数は10.73万人で7−9月よりも30%近く減少している。
減少はビザ発給を抑制する動きによる効果と考えられるが、依然として政府予測よりはまだ多い結果となっている。
なお1年間での移民の準流入数は54.73万人となっている。
全人口が2600万にほどの国の規模で考えると2%の人口増加に該当する。
なお、2024年度の流入数に関する政府の目標は26万人となっており、前年の半分にしようとしていて、ビザ発給をかなりの割合で絞り込むということが見える。

移民流入数を抑制することで住宅に関するコストを引き下げる効果があることは容易に想像できるが、住みたい場所に対しての供給力が十分なのか、その点で移民流入を抑制することが大きな効果をもたらすのか、という点は判断できない。
移民が都会近郊に住居を探しているならば、確かにビザ発給を抑制することが効果的な面があるだろう。

一方で、農業や鉱山業に従事するような移民の場合は、住宅供給不足が問題になっている地域には該当しないだろう。
というように想像すると、流入を抑制することも重要だが、今の時点で住宅供給不足地域に居住している移民を減少させないと、住宅問題の解決に対するスピードは緩やかにしかならないだろう。

住宅供給も賃貸目的とした建設を認めることで、不動産デベロッパーが積極的に供給する動きをすることが期待されるが、実際に住居として提供できるまでには建設期間がかかるので、1、2年先の効果は期待できるが、今すぐにどうにかなるわけでない。

人口問題は、長い効果を考えて行なっていく政策なので、今日スタートしても効果が出てくるのは数年、数十年先になるのだろう。
とはいえ、いまの時点で困っている人たちに対しての政策を考えるならば、目先は需要を下げる、供給を上げる、ということになるので政策の方向性としては間違いではないのだろう。

一方で、人手不足、労働力不足で賃金上昇圧力が高い状況に対しては、移民流入抑制はネガティブな効果をもたらすことになり、更なる賃金ん上昇によるインフレ圧力になる可能性については、どのように評価すればよいのだろう?

アジアなどの人から見て、オーストラリアが移民先として魅力的な国として存在し続けるのであれば、一時的にビザ発給を抑制して住宅に関するコストを適性水準に戻していく政策は間違っていないだろう。

ただ、ポイントはいつも移民にとって魅力的な国であり続けることが重要ということ。
東南アジアから見れば、その地域はすぐに変化することはないだろうから、住宅の需給調整ができるまでは、移民を抑制することは正しいのだろう。

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