金融教育って、うまくいくのか???

金融ニュース

何年くらい経過したのかは、はっきりとはわからないし、調べていないのだけど、日本でも金融教育が拡大しているのは事実だろう。
「流行り」というレベルではなくて、しっかりと市民権を得られるようになってきているような気がしている。

NISA制度ができてから、ニュースも雑誌も本も、こぞって制度の説明と投資に関する情報提供が大きく増えたのは目に見える変化。
そう考えると、なぜ国はNISA制度をつくったのだろうか、必要性があるからできたのか、あったほうが良いからできたのか。。。どれがしっくりくるかと個人的に考えると、必要性があるから、ということになる。

どういう必要性があるのか、という認識は、(1)年金財源が高齢化社会の進展で厳しい状況になることがわかってきたから、自助努力でカバーするような動き、(2)人口減少で労働力が減っていくので、労働集約的な産業構造から知識集約的な産業構造に変化するために企業の資金が必要になる、というようなところが、ぼやっと思い当たる。

(1)については、日本の年金制度として、受給世代を勤労世代が支える仕組みになっているので、人口構成が逆三角形になると必然的に財源が厳しくなることは見えている。それを考えると自分の判断で運用をすることで国の政策の不具合をカバーするようになっている、ということなのだろう。
人口政策は、一朝一夕で変化するものではなく、現時点で数十年先の構成が見えているので、人口政策の失敗がこの状況に陥ったのだろう。
とはいえ、これを全て国政策の失敗だ、と結論付けることもできるが、社会構造の変化に人口政策がマッチしていない状況が起こっているだけで、国も想定して打った政策が、思うような反応を見せなくて結果的には失敗に見えるけど、無策での失敗というわけではないのだろう。
そのように考えるのは、多くの先進国で高齢化社会を迎えていて、人口構成が歪になってきている状況があるため。

国によっては移民政策で人口ピラミッドを変化させようとしている国もあるが、何十年単位での成果になるので、今の政治家、今の国民がそれくらい先を見据えて選択をできるのか?という点に重要な論点があるのだろう。

(2)の労働力の減少については、労働力が減少する中で、産業を拡大、維持するには生産性、効率性をあげるしか方法はない。効率性に関しては、労働集約から資本集約、知識集約に形状を変化させる必要があり、そのためには技術開発が必要になり、その技術開発に対して資金が必要になる、という風が吹けば桶屋が儲る、という流れが必要。
そのスタートポイントとして、お金を企業に流していく必要がある。

日本の高度成長期のように、生産が成長に結びつく世の中であれば、企業に向けられる資金はリスクがそれほど高くないので、資金余剰の家計が銀行などに預金して、銀行が企業に貸付を行うことで資金が回っていた。
たが、いまの時点で求められている資金は、成功するか失敗するかがはっきりとしない投資計画に対する資金提供になるため、融資ではなく、出資、資本の提供が必要になるので、家計資金のうち一部のリスクを取れる資金を流そうという動きに見える。

こういう流れができている中で、投資に対する意識は明らかに高まっているが、これまでなんら金融教育を受けてこなかった人は、「投資」というよりは「ギャンブル」に近くなっているような気がする。公営ギャンブルとはイメージは違うけど、FXのバイナリー取引などは、投資ではなくて投機・ギャンブルになっているし、これを積極的にやっている人もたくさんいるらしい。
それ自体を否定はする気はないが、万人に対して宣伝したり、万人が手をつけるものではないだろう。

金融機関が、国の制度を受けてなのか、意向なのかはわからないが、金融教育に対して力を入れているのは事実。ただ、個人的に思う点としては、金融機関の主催する金融教育セミナーに参加する人たちは、そもそも意識がある程度高いので、勉強をするので良いだろう。
そのようなセミナーに参加することを躊躇している人たちは、「金融教育」自体に対して懐疑的な面があるだろうし、「投資するお金がない」というイメージを持っているのだろう。

そういうふうに考えている人々こそ、根本的な部分で家計管理とかお金の使い方、ゆくゆくは増やし方、という流れで知識を増やして、実践していくことが必要になるのだろう。
ではそれをどうやったら、できるのか???

個人的な認識としては、金融機関の冠がついてくるセミナーに、そのような人たちは参加しないだろう。金融機関の色がつかないような形式にしていく方が、より広く受け入れられるのだろう。
そうなると、どうやってこれを仕事にできるのだろうか。無償のセミナーだとお金がないので継続性がなくなるし、参加費を取るなら、そもそもそういうところに参加しようとは思わないだろう。
学校や自治体レベルでやっていくことが、本当は良いのだろうが、どれくらいのパイがあって、どれくらいの資金が出てくるのだろうか。。。

本当にこれをやって行こうと思うなら、とりあえずSNSで自分で何か発信をしていくことで知名度を獲得して、将来的に仕事にできればよい、というスタンスで入るしかないのかな。

今のところ、幸運にも運用に回せるだけのお金があるので、適当に運用して、そこそこに増えているので、これを継続的に回していくことで、生活費を獲得しながら、やっていくことになるのだろうか。

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