政策金利は維持、変更余地は残す

オーストラリア連邦準備銀行が、6日に2024年1回目の政策決定会合を開催して、政策金利を変更しないことを発表した。
インフレ率は鈍化して4.1%になっていて、雇用状況も悪くないというところで、今回は政策は変更せず、ということになっていた。

連邦準備銀行のインフレ目標は2−3%で、それに対しては引き続き上振れている状況ではあるが、一時期の7%水準からは下がっており、また鈍化傾向が見えていることもあって、2024年末には3.2%に下がり、2025−2026年には目標のレンジに落ち着くと見ている。

仮に金利を引き上げて、インフレ鈍化のスピードを加速させるとした場合、金利上昇によりインフレ率は下がる傾向に入るだろうが、景気も鈍化させることになり、どちらが良いのか?となってしまうのだろう。
実際に金利引き上げで恩恵を受けるのは、預金を持っている層で、不利益を被るのはローン返済を抱えている層になり、ローンを抱えている層の方が絶対的な人数は多いのだろうから、個人消費への悪影響の方が大きく出てくるのだろう。

一方で、海外情勢を見ると、引き続き船舶輸送に対しての不安定要因があり、物価を引き上げる潜在的要素が多いので、仮に物価水準が思ったほど鈍化しない場合は、金利を引き上げるのか?原材料価格のコストプッシュ型の場合はインフレ率引き下げのための政策金利の引き上げは、景気を安定させるために効果があるのだろうか。。。その波及効果は、あまり良い方向に出るようには思えない。

次回の政策決定は3月に行われるので、それまでに出てくるデータを見ていくことになるとして、市場では1回の利下げを今のところ予想しているような状況。

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