政府歳出が増加で、インフレ緩和される理屈がわからん

金融ニュース

5月14日にオーストラリアの2024/2025の政府予算が公表される。
いろいろな観点でニュースで取り上げられている中で、個人的に理屈の展開が理解できていないのが、「歳出を増やすけどインフレは抑制できる」という点。

先週にオーストラリア連邦準備銀行の理事会で発表された、インフレの見通しでは目標レンジの2−3%になるのは2025年12月を見通していた。
一方で、その後に財務省が発表したインフレ見通しでは2−3%のレンジに入ってくるのは2024年12月としている。その理由として、予算案で歳出を行うことでインフレが落ち着くということらしい。
なお、先週発表されたRBAの結果と違う点について、財務省はRBAが予算案についての情報を持っていないためであって、タイミングの問題として、シンプルにアップデートされた情報の有無の問題としている。

そこで、どう考えれば良いのかが想像つかない点として、「歳出を増やして、インフレを抑制する」というもの。
歳出増加、というのは政府が何らかの手法で市中にお金を回すいうことで、その供給された資金は、何かの消費(現在もしくは将来)に回されるので、物価に対しては上昇圧力の方に影響を与えるのでは???と思う。

確かに、消費に回ることで、将来的な納税に回るので資金を回収できるということを無理やり想像することもできるが、乗数効果で資金が回る金額の方が、回収よりも大きくなるのでは…
この辺の歳出増えるのにインフレ抑制できる、というストーリーを説明できる人が欲しい…

穿った見方をすると、政治家的に選挙が近くなってきていること、与党の労働党の支持率が高くない、ということでばらまきの観点で歳出を増やして、有権者の人気取りをしにきているようにも見えなくも無い。
その場合は、場当たり的な政策でとりあえず選挙に勝てばOK、勝ってから考えてみよう、という作戦。その作戦に乗っかってしまう有権者も一定するいるのだろうから、それが良いとか悪いとかいうのも難しい。

なお、新聞社の世論調査では、政府の歳出抑制するべきという意見が6割になっているという、面白い話もある。
生活コストの上昇に対しての政府から支援については、支持する意見が多い。一方で債務削減か歳出抑制を求める声も多い。
使うところと、抑えるところの分け方の問題なのだろう。

どうやって生活が厳しい家計を助けるのか、歳出を削減してインフレを抑制するのか、ということなのだろうが、政府のコメントは歳出増やしてもインフレは抑制されるらしい。。。

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