住宅関連支出の増加って、悪いのか?

オーストラリアで家計に占める住宅関連支出が30%を超える世帯が増えている、ということらしい。
ここでの住宅関連支出は、住宅ローンの返済や家賃支払いを指していて、どうしても支出が必要な部分の項目になっている。
支出が増えることで、他の項目の支出が抑制されて、なおかつ将来への備えを含めて、全体的な支出も抑制される方向が出ているということ。

確かに、住宅関連の支出は急に抑制しようと調整できる面が少ないので、家計へのインパクトは大きくなるし、心理的な支出抑制効果もかなり高くなるのだろう。
例えば、持ち家で住宅ローンを抱えている場合は、金利が上昇して、住宅ローンの金利返済額が増加することがあり、これを減らすことは基本的にはできないし、仮に実行するなら金利の低い金融機関へ借り換えるのか、住宅を売却してローン返済よりも家賃が安いところに住み替えるくらいしか手がない感じがする。
賃貸の場合は、住宅を保有している場合よりは多少自由度が高いけど、家族がいる場合は生活基盤の問題があったり、仕事の関係があったりして、明らかに家賃支出が下がる地域に引っ越すのは容易ではないだろう。

そんなことを考えてみると、住宅関連支出の収入に占める割合の増加は家計消費に対してネガティブな方向になるのは容易に想像出来るが、一方で住宅ローンを貸し付けている金融機関に対しては収益の増加(収支の増加になるかは負債側の状況によるので判然としない)、家賃を受け取る側においても収益or所得の増加になるので、その増加部分がぐるっと回って、家計収入に寄与するならば、所得分配の観点の話でパイの大きさ自体は閉鎖経済で考えると変化していないことになってしまう。

ただし、収入が増える家計は、そもそもが所得が潤沢である可能性が高いので、住宅関連支出増加にともなう、収入増加が、その家計に与える限界的な効果は小さいので、全体の支出が増加するか?という点は乗数が1未満になりそうなので、実質的に全体の支出が減少するのだろう。
とはいえ、得た収入を支出しないということは、貯蓄に回っているということで、それは将来への消費の先延ばしだとすれば、またまた効果は相殺されて、今使っても将来使っても同じことになるのだろう。。。。

少なくともイメージできることは、持つ者と持たざる者の可処分所得の格差が拡大していくことだけは、足元で言えるのだろう。
金利上昇も、負債がある人にとっては所得に対してネガティブなインパクトがあるが、資産がある人にとってはポジティブなインパクトになる面がある、ということ。
(政府の所得再分配の役割が期待されるのか?それとも自由競争の中で政府は最低限の再分配だけ行えばOKなのか?

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