住宅取得のコスト上昇と銀行の利益

オーストラリアのエコノミストは、11月に政策金利が引き上げられて、その影響で住宅ローンの適用金利が上昇することで住宅取得に対するコスト上昇が、今の住宅ブームを抑制して、2024年は停滞して、2025年に回復するような見方をしている。

住宅取得のコスト上昇は、ローン金利によるものもあるが、そもそも建築コストなどの上昇もあって、全般的にコストが上がっているように感じられる点があり、その中でも価格が上昇して、ブームが続いているというのは、強い需要が牽引していたからだろうと想像している。
基本的には需給がバランスしていないことが住宅価格の上昇を押し上げていると想像すると、金利上昇がどれくらいのインパクトを与えるのか???という疑問を感じる。

主要銀行の決算が発表されているところでは、金利上昇でローンマージンが上昇して収益は好調となっている。今のところは延滞率も上昇していないらしいが、引き当て水準はコロナ時のレベルに引き上げて準備している、ということを考えると、やはり延滞は拡大する可能性があり、引き当ての全額ではないだろうが、一部は充当されることになるのだろう。

その前提要件は、賃金上昇よりもローン返済が重くなり、返済ができる間は家計を切り詰めていくことで支払い余力を作るのだろうが、延滞になるのであれば、切り詰めのレベルも限界に到達していて、最終的にはデフォルトになり、差し押さえになるという流れなのだろう。
そうなると、住宅の競売件数が増加して、価格抑制の効果をもたらして、一旦の住宅価格上昇を抑えることになるのか?

一方で住宅ローンが払えなくなった人は、持ち家から賃貸に移り住むことになるので、賃貸市場がまた加熱して、家賃コストが上昇するのか?
住宅価格と賃貸コストの関係が行ったり来たりして、成長をうながすような流れになるのかなぁ。

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