住宅ローンの延滞率が上昇する過程

オーストラリアの住宅ローンの延滞率が上昇しているというレポートがMoody‘sから公表された。
結果としては、30日延滞率が上昇しているという話。そもそも、Moody‘sがこのような調査をしているのは、住宅ローン証券化商品に格付を付与していて、そのモニタリングの観点で行なってデータ公表になる。

なぜ延滞率が上がっているのか、という点では、返済が厳しい状況になっている債務者が多くなっているわけで、その主な要因は金利上昇が所得上昇に追いついていない、ということなのだろう。
物価上昇やエネルギー価格の上昇で全体的な生活コストが上昇している中で、政策金利の上昇に伴う住宅ローンの金利上昇も入ってきて、ローン債務者が返済資金を用意できなくなってきている状況になっているのだろう。

金利が上昇し始めた頃には、住宅ローン債務者が返済額増加に備えて消費を抑制して、貯蓄を伸ばしている、というニュースがあったが、それでも支払いが厳しくなってきているのだろう。
これがどれくらいの期間続くのか、ということは所得の上昇がいつ起こるのか、ということに尽きるのだろう。

雇用市場は堅調で賃金も上昇しているようなニュースは出てきているが、それ以上に物価上昇の方がスピードが早いので、実質的には可処分所得から回せる返済余資は増えるどころか、減っている可能性があるのだろう。

日本との比較で考えると、日本の場合は住宅ローンの返済は最後の最後まで払っていくという国民性がある、ということが過去のデータから出てきていて、その観点で銀行などは住宅ローン債務者に対しては割と安心しているような雰囲気を感じる。
一方で、オーストラリアはどうなんだろうか?都市圏では生活するのに自動車がなくても生活できるが、それでも基本的に自動車を保有している世帯は多いので、住宅vs自動車になった時にどちらのローン返済が優先されるのだろう。。。
ちなみに、アメリカの場合は圧倒的に自動車が優先される。これは自動車がないと生活自体が成り立たないという国の状況を反映しているので、国によってデータに対する分析は注意が必要と考えている。

金融商品の点から考えて、住宅ローン証券化商品は大数プールになっている資産を裏付けにしているので、利回り対比での安全性は高い、という認識になっている。
これ自体に対しての認識は同じであるが、どうやって回収されているのか、返済が不能になった際にはどのようなスケジュールや手続きが取られるのかを知らないので、リスクとリターンの適正な評価ということにまで認識が至らない。

住宅ローンを借りるときにどのような手続きがあるのか、どれくらいの現金を必要とされるのか、貸主の貸出に対する姿勢はどうなっているのか、など周りの情報が大切になるだろう。

個人的な経験もあるので、テーマとして研究していくには面白いと感じている。
まずは、出口の証券化商品と入口の住宅ローンの両面から探っていく感じになるだろう。

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