オーストラリアのメガバンクのシェア

オーストラリアには、日本のメガバンクのような存在が4つあり、色々な商品がある中で、4つのシェアは圧倒的で寡占状態に見える。
4つの銀行はCBA、NAB、Westpac、ANZで、住宅ローン、個人融資、企業融資、預金で見ると、住宅ローンでは75%、個人融資でも75%、預金も75%、企業融資は少し下がって70%となっている。

いずれにしても4つの銀行で貸出、預金で市場の70%以上を握っているというのは、寡占状態とみて良いのでは?と思う。
そんな中、マッコーリ銀行が最近シェアを伸ばしている、という話だが、数値で見ると個人融資で7%、住宅ローンで5%、預金で%%、企業融資で2%と他の4行が2桁のシェアを持っている中では検討しているものの、まだ実質的には小さい状況で競争が働いている、と言えるほどではないように見える。

とはいえ、当局はシェアを伸ばしてきている、という点を捉えて、ANZが保険会社サンコープの銀行部門の買収を承認した。承認の結果として想定されることは、ANZの住宅ローン事業がコスト改善で消費者に効果があるというような話になっていた。

データでは確認していないが、マッコーリのシェアが伸びている背景が何なのか、どこからシェアをとっているのか(4大銀行から奪っているのか、それ以外から奪っているのか)というのがポイントになるのだろう。

シェアを伸ばしている背景が、サービスの向上などで消費者から選ばれる銀行として活躍しているのだろうが、金利引き下げ競争などでできているのか?仮にそうであれば、コストを下げていかないと持続的にシェアを大手から獲得するような動きは難しいのだろう。

また、シェアを大手から奪っているのであれば、競争が活発化するので寡占状態が幾分改善するという考え方もあるだろうが、中小から奪っているのであれば、4大銀行から5大銀行になる、というだけで寡占状態が大きく変化することはないのだろう。
ただ、寡占状態だとしても競争が活発ならば、消費者にとってはプラスの効果があるが、プラスの効果がないのであれば寡占は良くない、ということになる。

競争環境のある寡占状態であれば、規模の利益を受けることができ、コスト面で全体で有効な状況になる。
そう考えれば、一定の寡占状態は経済を効率的に運営できるということになるのだろう。

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