またまたIMFがRBAに利上げ提言

IMF(国際通貨基金)がRBA(オーストラリア連邦準備銀行)のレポートを公表して、その中でインフレ率を抑えるには、引き続き利上げが必要、というコメントをしている。
オーストラリアはインフレ率が以前よりは落ち着いてきたが、まだ目標の2−3%を上回る状態が続いているので、そこを目指すには再度利上げが必要ということらしい。市場はそろそろ利上げではなくて、利下げ方向で見ているところが増えてきていたので、逆側の提言。
そもそもIMFの目的ってなんなのだろうか?という根本的な疑問もある。

IMFのレポートは12月4日に準備され、1月下旬に公表された。
短期的な政策目標は経済をソフトランディングさせることで、インフレ率を抑えることにある。金融政策もインフレを抑制するために緊縮方向で展開し、財政政策もさらなるインフレを抑制するために緊縮方向で進めることを提言している。

統計で見るとインフレ率は、一時期の8%近い水準から4−5%台に低下してきているが目標の2−3%からはまだ十分に高い状況にある。労働市場も失業率は3%台で、自然失業率の予測4%台からは低く、労働市場は逼迫していて、経済環境は加熱方向に進む可能性があるように見える。

その状況を考えると、景気加熱を抑えつつ、ソフトランディングさせる観点で利上げをする提言をIMFが出してくる理由もわかるが、住宅ローンを変動金利で借り入れている家計が多い中で2年で短期金利が4%以上上昇して、個人の家計のローン返済額が大きく上昇し始めていることを考えると、早いペースで利上げを行うことが、経済をオーバーキルしてしまう可能性をRBAは考えているのではないか?と思う。

金融政策でインフレを抑えることで、個人の家計が厳しい状況になるのであれば、財政政策で家計が厳しい世帯には補助金などで手当することで対応できるような気がする。
財政自体は、それほど潤沢ではないとしても、大きな赤字状況ではないので、財政出動は可能だろう。

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