オーストラリアの住宅価格は高いし、まだ高くなる見込み

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オーストラリアの主要都市である、シドニー、メルボルン、アデレードの住宅価格が、英語圏の都市で見た場合に世界でも高い部類に入る、ということらしい。

アメリカのデモグラフィアが公表した2023年の世界の英語圏の主要都市の住宅価格が年収の何倍になるか、という順位付けをしていて、シドニーは2位、メルボルン7位、アデレード9位となっている。
年収倍率ではシドニー13.8倍で、去年の13.3倍よりも上昇しているということ。
なお1位は香港で16.7倍だが、去年の18.8倍よりは倍率は下がっている。

一般的に考えると、年収に占める住宅価格の倍率が高いということは、そこに住んでいる人たちが住宅を保有することが経済面で厳しい状況にある、ということだろう。
だけど、年収はどこをとっているのか、住宅価格はどこをとっているのかによって見え方は変わってくるのだろう。

例えば、投資対象として魅力的な都市の場合は、住民が居住用に購入するのではなく、投資家が投資目的で購入するので、年収の倍率に関しては購入時の物差しとしては、気にされていない可能性が高い。
特に転売してキャピタルゲインを狙うのではなく、賃貸に出していくことを考えている場合は、購入価格が高くて住民が購入できなくとも、家賃であれば支払いは可能なので、価格に見合った家賃が設定され、ランニングとしては回っていくのだろう。

さらに上昇すると期待するならば、どこかで購入する人が出てきて転売されていくことになるが、それが居住用となるのか、投資用となるのかは、誰にもわからない。

ただ、この調査の結果としては年収比で見て高い状況が続いているが、昨年よりも倍率が上がっているのは住宅価格が上がったのか、年収が減ったのかはわからない。
とはいえ、労働市場が堅調な状況が続いているので、年収が減少した要因よりは、価格が上昇している要因の方が大きいという想像はできる。

では、なぜ高い状況が続いていて、価格が調整されれないのか、は単純に需給がマッチしていないだけ、と考えるのがよいのだろう。
コロナ明け以降、2年近くにわたって住宅の需給関係が悪く、価格が上昇し、また賃貸の家賃も上がっている状況が続いている。
その中で、供給を増やすためにBTRを認める動きが加速して、それに合わせた供給が行われようとしているし、合わせて移民流入を抑制する動きが出ている。
それでも、効果が明らかに見えてくるのは年単位になるだろう。

そんな中、オックスフォードエコノミクスは2020年代後半にオーストラリアの建設コストが上昇すると予測している。
材料高によるコスト上昇、作業員不足での人件費上昇を見ている。
インフラ設備も、住宅も上昇する余地がまだまだ残されていて、政府が対策を取っていても、根本的な問題には届いていない可能性も感じる。

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