所得減税が住宅価格上昇につながるとの見方

オーストラリアのモーゲージバンク(Mortgage Choise)が、今年度の個人の所得減税の影響によって、住宅価格が一部上昇する可能性があるとコメントしている。

流れ後しては、一定の所得階層の家計に対して、所得減税が行われることで可処分所得が増加するので、住宅購入者にとってプラス効果があり、その結果として住宅需要が増加して、価格も上昇する、という流れの様子。

具体的にどのような所得階層で効果があるのか、どのような価格帯で影響するのか、というところを見ると、
所得が10万豪ドルの場合は2.5万豪ドルの所得増加の効果で、15万ドルの所得の場合は3万豪ドルの効果があるらしい。
そうなると、所得に占めるローン返済の割合であるDTIが下がるし、預金も増やしやすくなるので、初回の住宅購入者はハードルが下がることで需給面から価格上昇につながる、ということらしい。

少し調べてみないといけない点は、今回の減税が恒久的に行われるのか、一時的なのか、という点。
恒久的ならば所得増加の効果で不安感がなくなるので、住宅価格の上昇は影響をそのまま受けるのだろう。一時的であれば、合理的な家計であれば、瞬間的にはOKでも持続性がないので、無理な買い物はしなくなるので効果は一時的。
というような流れになるだろう。

いずれにせよ、所得が増加して住宅価格が上昇するならば、結局は購入できる住宅の水準は減税前後で大きく変化しないので、インフレ要因でしかないようなことなのだろう。

なお、高級住宅に関しては、もともと恒久減税の影響も少ないし、購入を検討する住宅も高いので、あまり関係がないという結果らしい。

住宅建設の原材料費の上昇がないのに、価格だけが上がるならば、住宅販売会社が儲かり、そのお金が社員にまわっていって、消費に回っていくのだろう。
それであれば、景気面では良い効果になるだろう。

一方で、減税をするということは、政府としては歳入が減少するので、一時的には負の効果があり、将来的に経済が拡大して、納税額の増加による歳入増加につながるのであれば、時間差を前提に歳出、歳入をバランスさせていくことができるので正解になるのだろう。
その経済モデルはどうやって作っているのか、モデルに入力する仮定がずれたときにどれくらいのインパクトが出てきて、結果に違いが出てくるのだろうか。
ということは気になる。

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