オーストラリアの中央銀行総裁が、最近のオーストラリアでの賃上げが高いインフレを抑えたい中央銀行の政策を阻害している、とコメント。
その背景には、「生産性上昇率>賃金上昇率」の関係があれば、生産性が上昇するので賃上げがあってもインフレは抑制できると。
企業が賃上げをしてこすとが上昇しても、生産性が上がれば企業の収支は改善するので、賃上げしても問題なく企業経営が行われていくので、商品やサービスの値上げを行う必要がないので、インフレは進行しない、という流れ。
一方で生産性が向上しない中で、賃上げだけが進むと企業はコスト増加に耐えるために何らかの値上げをすることになり、それがインフレを加速させる、少なくとも引き下げることにはならない、という筋なんだろう。
マクロ全体で見れば、その筋はアリな気がするが、コスト上昇に耐えられない企業は好況だろうと不況だろうと存在しているし、いずれかの段階で撤退するしかない。一方で、同じようにどのような経済環境でも生産性を向上させている企業はいるはずで、そのような企業は生き残ることができる。
中央銀行の全体を見なければならない観点では、生産性上昇率>賃金上昇率の考え方は正しいだろうが、ミクロで見れば、いつの時代、どのような環境でも、この大小関係を持っている企業もあれば、持っていない企業もあるのだろう。少なくとも過半数以上が生産正常勝率が高い状況にあれば、経済全体では成功になっているような気がする。
全員がその環境になるのか?というと、必ず勝ち組と負け組が発生するわけで、全体最適の考え方と部分最適の考え方でバランスがあるのが、心地よい状況なんだろうなぁ。
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