オーストラリアの消費者物価指数が公表され、1月分は12月比で3.4%増加となった。予想の3.6%は下回ったが、中央銀行の目標値の2−3%ゾーンは引き続き上回る状況が継続している。
数値自体は、少しずつ鈍化して目標に近づいているが、コアの値も高い状況が継続しているため、家計に対しては厳しい状況が継続している。
消費者物価が中央銀行の目標値を上回っているということで、中央銀行が物価安定化、目標値に到達するために政策金利の引き上げをする可能性もある。実際に行われるかは不透明だが、政策金利の引き上げが行われると、住宅ローンの返済を抱える家計はさらに厳しい状況が増幅することになる。
コロナで政策金利が低く設定されていた時に比べて、住宅ローンの返済額は大きく上昇しており、住宅ローンの返済に困窮する人数も160万人存在しており、さらに金利が上昇すると、その数は増加していくことになる。
ローンの返済が厳しくなると、どこかで生活費を切り詰めていくことになるし、それでも払えない場合は売却していくことになる。
以前から言われているように、金利上昇は住宅ローンの返済がある家計にとっては返済額が大きくなるので、生活への悪影響が大きい。他方で、すでに返済が終了している家計にとっては、金利上昇による利息収入の増加が家計のプラスになる。
マイナスになる家計は、住宅購入を行なっているため、勤労世代が想像され、家計負担の増加は家族に対しても大きな影響を与えることになるだろう。
一方で、プラスになる家計は、返済が終了していることから、引退世代、富裕層が想像され、利息収入が増加しても、それが支出にそのまま回ることはないだろうから、経済全体から見ると影響度はそれほど高くないことが想像される。
そう考えると、物価安定は大切だが、生活が厳しくなる家計に対しての政府の支援が必要になる、という議論がわかりやすい展開になるだろう。
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