格付期間のFitchは、オーストラリア連邦準備銀行(RBA)の利上げはトータルで見ると住宅ローンの観点では、豪銀行の業績に対して悪影響になるとの見方をしている。
悪影響になる要因は、
ー利上げで住宅ローンの延滞率が上昇することでコストが上昇する
ー新規の住宅ローン市場の鈍化で収益が伸びにくくなる
という二点。
一般的には、政策金利の引き上げは金融機関の収益に対してプラス方向に働く傾向が強く出やすいと考えられている。
ー貸出金利が上昇するので収益が増える。
ー政策金利の引き上げは、経済状況がポジティブになっているためであるため資金の貸出が増加する。
ー貸出金利の引き上げに比べて、利息金利の引き上げは緩やかになる。
というようなものが一般的だろう。
他方でマイナス方向に出てきそうなものとしては、
ー貸出金利を引き上げるため企業が返済に苦しくなり、不良債権が増える可能性があり、与信関連コストが引き上がる。
ということだろう。
今回のFitchの話は、住宅ローンに関連したところをピックアップしているように見えるが、豪銀行の主な収益源が住宅ローン関連からできていると考えると不思議ではない。
住宅価格が上昇している中であれば、貸出金利が上昇して、返済が苦しくなった場合は住宅を売却してローンを全額返済すれば、借り入れている人も貸出金融機関も悪くはない状況になる。
そう考えると不動産価格が上昇しているうちは平和に進むのだろうが、不動産価格が下落した場合は一気に状況変化が起こってしまうので、中央銀行も政府も、その点は気にしているのだろうと想像している。
だからこそ、住宅供給が不足しているという中で、供給増やすと言いながらも、急激に増えてはいないのだろう。
国民の不満は高まっているのだろうが、金融機関が破綻するような状況をもたらすよりも、緩やかに供給を増やしながら運営している方が国益に適っているのかもしれない。
ということで、オーストラリアの居住用不動産は買い方向でしばらくは良いのだろう。
移民政策で人口増加を進めているうちは、大都市圏の中心部は大丈夫なのかなぁ。
追加である種で面白みのある話題として、
オーストラリア住宅産業協会の発表として、移民増加に対応するために2.4分に1件の住宅が必要とコメントしている。
住宅供給が不足していることで家賃や購入価格が上昇していて、それがインフレ上昇の圧力になるとしている。
なお、2023年の移民数は役54万人だったそう。国民が2600万人くらいの国で50万人が移民としているので、結構な労働力として重要なのだろう。
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