オーストラリアの運用会社のレポートで、給与からの年金拠出が増加することで、可処分所得が減少し、需要も減少するのでインフレに対して抑制方向に働く可能性があるらしい。
社会保障関係の支出が増加することが、消費抑制に働いて、インフレに対しての効果をもたらすのは確かにわかりやすい展開だとは思う。
ただし、給与に社会保険料支出が含まれている労働者は40%で、残りの60%は給与外で会社が負担している契約になっているらしいので、実際の抑制効果のほどは、大きなものにならない可能性の方が高い。
オーストラリアも人口高齢化が進行していて、高齢者向け住宅やケアハウスなども重要だが、年金問題も重要で、労働している時点から一定割合を強制的に徴収して、国が定めた運用商品の範囲内で運用していくような設定になっている。
長期間で見ると株価は上昇しているし、経済は成長しているので、積立て長期運用している流れは個人にとって良い効果をもたらしている。
よく理解が進まないのは、なぜ毎年の拠出割合を増加させていっているのか?今は約10%を拠出するようになっていて、今後もじわじわと比率は上昇していくらしい。
比率を上昇させると、企業が負担している場合は単純にコスト増加、個人が負担している場合には可処分所得の減少になる。後者に関しては、賃金成長率が拠出金上昇率よりも高ければ、実質的には負担は増加しないので、まぁ良いのだろう。前者に関しても同様で売上上昇率が高ければとりあえずは経費を賄うことはできる。
インフレがない場合、商品やサービスの単価は上昇しないので、掛金上昇率を売上成長率が上回るには、ヒット商品のようなものを見つける必要が出るのかも。
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