オーストラリアのNABの調査によると、家計の50%が贅沢品に関連する支出を4−6月期に削減したということ。
生活費が高騰していることへの対処として、外食、娯楽・映画などへの支出を抑制している。
他方で、子供やペットへの支出に関しては抑制を検討したり、行なったりはしていないということ。
シンプルに考えると、将来での支出増加が予想され、かつそれまでに可処分所得が増加するとは考えていないことからくる行動になる。
支出増加の予想は、不安心理から簡単に発生することが想像できる。インフレが進行しているため、将来に生活必需品を含めて支出が増加することを懸念しての行動になる。
今の消費を将来に先延ばししておくことは余剰資金を預金しておくことになり、現在と将来の価値が等価になる金利水準が存在することになる。
物価上昇で家計が予算を重視するようになっていて、娯楽関連の支出を抑制したり、生活必需品の支出に関しても価格へのセンシティビティが上がっているのだろう。
支出を抑制して預金が増えている状況があり、1年間で25%預金が増えている。
金利収入もある程度期待できるので、支出を抑制できる家計としては現在の支出を抑制して、金利収入を獲得して、将来の消費に回す方が良いという考え方にもなるのだろう。
何か積極的に消費しないといけないものがないのであれば、とりあえずは貯金して、金利収入を得ておくのも一つの手段なのだろう。
幸にして、今のところインフレ率が3%でも、預金金利が5%程度つくので、実質価値はプラスになるのが救いになる。
そう考えると、デフレ下で金利がゼロの預金に資金を入れていた日本の家計の行動は、その観点では実質はプラスなので間違いではないが、名目で見るとほとんど増えていないということで、インフレに振れた瞬間に、一気に実質でマイナスになってしまうという状況。
これが実際にいまの日本で生じていて、インフレが進む中で、金利収入が見合っていないのというのが問題。
そのことを全員が理解しているわけでもないだろうが、新NISAがはじまったことで、家計の投資に対する意識が高まり、資金が預金から投資に回ってきていることは、全体的に見ると良い方向に動いているのだろう。
最終的に投資がプラスになるのか、マイナスになるのかは、どの時点で初めて、どの時点で終わらせるのか次第になるので、正解はわからない。
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