一人当たりの資産額の中央値が増加して世界2位

オーストラリアの一人当たりの資産額の中央値が世界2位であるとのレポートが金融機関から出てきた。
ミリオネアは約190万人いるらしく、人口に占める割合は10%程度になっている。
なお、世界1位はルクセンブルク共和国。

資産は不動産、年金、遺産が大半になっているということで、地価上昇、株高、相続税ゼロなどが複合的に効果をもたらしている模様。
不動産は値下がりの懸念リスクは、ほとんど感じられないので、保有者の資産額はまだまだ下がる可能性はないのだろう。
年金は運用状況がどのようになっているか、ということに関係してくるので、株価が上昇することがシンプルに効果をもたらすのだろう。株価が下がった場合は、この部分は低下することになるが、評価した時点の価格によるため、行ったり来たりするならば、経済成長次第。

遺産に関しては、相続税がゼロである点が効果をもたらしているのだろう。これも持つものは更に資産を増やして、持たざる者はあまり関係ない。
この点は、結構な影響を持っているのだろうと想像している。
遺産を受け取ることができる個人は、それをうまく管理、運用すれば、資産家として生きていける上に、それが次の世代に受け継がれているのであれば、格差が拡大する方向になるのだろう。

今回の調査は中央値になっているので、平均値よりは意味がある数字なのだろうが、どれくらい山が偏っているのかが気になるところ。
人口の10%がミリオネアになっていて、中央値が26万USDでミリオネアではないという点から、かなり資産を持っている人の方に山が偏っているのだろう。

なお、アジア圏では資産の保有状況としては金融での資産が多くなっているということ。
不動産は国が魅力的であれば上がっていくことになるだろうが、そこまでには至っていない様子。
金融がメインであるのならば、企業が成長しているというところで国が成長性しているので、資産価値は上昇していき、今後国が静調整していくのであれば、不動産も上昇していくので、経済の舵取り状況がうまくいくかどうかによるのだろう。

少し違う観点で相続税がゼロであることをどう考えていくのか、という点は気になる。
資産の再分配という点で考えると、税率ゼロはよくないのだろう。他方で、自分の関係者が獲得した資産を引き継げないというのも不平等のように見えるので、税率を課すことも難しいのだろう。
税率ゼロを1以上にする時のハウリングを大きいだろうし、今のところオーストラリアは財政状況が悪くないので、税収を相続税から得る必要もないのだろう。

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